Macross 117 「マオの旅立ち」第六話
マオは、大宇宙を彷徨っていた。
「自分は死んだ。」マオはそう確信した。
はるか遠くに姉サラを感じ、そこへ行こうとしたが動けなかった。ちょうどその時一機のバルキリーが通りかかった。
そこには見たことのある少女が乗っていた。「ランカ」そう叫ぶとマオの体はランカの体に吸い込まれるように消えていった。
マオは暫くの間この少女のなかで眠りに付いた。この少女の心の中には聖なる巡りの歌が響いていた。


マオの死は、サラの元に唐突にもたらされた。
離れて暮らしてはいたが、サラにとって大きな衝撃となって暫くは歌を歌うことも出来なくなり、休業を宣言した。
傍らでシェリルが自分の歌を歌っている。
3ヵ月後サラはギャラクシー船団に招かれコンサートを開いた。
サラは母親マオの死を振り払うように歌った。シェリルもそれを見守っていた。

サラは、このコンサートを最後に引退することを決意していた。
「私が母さんの夢を叶える。」サラは強く決意していた。このことは幼いシェリルにも伝えないといけない。
サラはシェリルと二人でコンサート会場を後にした。サラは再び研究者として地球に向かおうとして準備を始めた。
117次調査船団が壊滅した後、いち早くこの情報を一条美沙、元第一次移民船団総督が伝えてきた。その後もいろいろな相談にも乗ってくれていた。母の友人として。軍部はもとよりどこにでも顔の利くこの人は、母マオの事を誰よりもよく知っていた。
気掛かりなのはシェリルのことだった。思い悩みながら準備を進めていた。
結局シェリルは美沙が預かってくれることになって、二人はギャラクシーのエアポートに向かっていた。
地球には美沙が準備してくれた軍用機があてられ、待機している。

軍のゲート前で突如閃光が走り銃声が走る。「テロだ!!」誰かが叫んだ。サラはシェリルを抱え走ったが、後方より銃撃を浴び地下空間に転落して行った。シェリルを抱えたまま。ギャラクシーの地下はスラムと化していた。

このテロは、後にクーデターであったことが判明、未遂に終わったと発表された。
この後軍部に新しい士官がやってきた。名前はグレース・オコナー中佐、この新しい中佐は、軍部の中に強力な新派を作り上げていった。失敗したと思われていたクーデター、実は成功していた。グレースは、軍の中枢に入り込んでいた。

地下に転落したシェリルは、一時スラムの住人に育てられていったが、その住人も亡くなり、一人で生きていくことになった。形見のイヤリングは常にたった一つのポケットに入っていた。
続く
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