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二
人はいつもの見慣れた電車に乗り込んだ。休日の早朝だから今日は空いている。乗り飽きた車両にマオはげんなりしながらも空いた席を占領する。その間鉄子は
外で写真を撮っている。いよいよ電車が動き出す。鉄子は席に着くや否や飯田線の沿線や歴史について熱く語りだす。鉄子の自宅はこの飯田線の最深部、秘境駅
と呼ばれる所にある。その為この飯田線に対する愛着はすさまじいものがあった。何でこんなに熱く成れるんだろう。そう思っていたマオだったが、話を聞くに
つれその理由が分かってきた。
この飯田線が造られたのが太平洋戦争前で、地方の私鉄4つが合わさって全通した。その際に大変な苦労を経て建設されたようだ、特にこれから行く最深部は、多くの犠牲を出しながら完工した区間であるが、その分雄大な景観を伴ってマオに迫ってきた。
マオはこの景観に魅入られてしまった。
故郷マヤン島とはまったく違った大自然、
「私はまた来る、この大自然の中に。」その為に自分自身の心のファインダーで出来るだけ多くの景観を切り取ることにした。 |